バザールの楽しみ
観光名所ではありませんが、ウズベキスタンでぜひとも目にしておきたいのがバザールです。
シルクロードの交易都市、その伝統を受け継ぐ市場の活気……なんともロマンを感じます。
タシケント最大最古のバザールは、なんといってもチョルスー市場です。付近に地下鉄の駅もあるので、アクセスは容易です。
非常に広いので、ちょっとやそっと歩いたくらいでは、見切れません。
ウズベク人の冬のビタミンは……
ここでは、食料品を非常に安価に購入することができます。但し、基本的には大量購入が大前提です。
私は朝食がてら、軽く果物を買おうと思ったのですが、キロ単位が基本なので、困ってしまいました。サクランボ1キロ7000スム。当時のドル換算で1ドル6000スム以上だったので、まぁ、百円から百五十円くらいで1キロですから、安いといえば安いのですが、一人ではそんなに食べ切れません。結局、交渉して、4000スムで500gで許してもらいました。
こういう風に山盛りで売られているのには、理由があります。
ウズベク人は、何でも保存食にします。新鮮な野菜が取れる季節にジャムや漬物に加工して、取っておくのです。そして、冬場を乗り切るのに使います。
日本みたいな金持ち国家ではないので、一年中、好きなところから食料を輸入、なんてことはできません。また、そうでなくても二重内陸国であり、輸入というのは高コストです。だから、それぞれの家庭で食料をきっちり確保しておかないと、あとで泣きを見ることになるのです。
見てまわるだけでも楽しめる……けど、粗悪品に注意

こんな風に、大きな肉が堂々と吊り下げてあったり……
ただ、衛生状態とか、農薬バンバン使ってるとか、いろいろあるかもわかりません。見極めろといっても、これは難しいですよね。

市場ですから、いいものもあれば、悪いものもあります。例えば、ここで食べたシャシリクは小ぶりではありましたが、どこの地域で食べたものよりも美味でした。かと思えば、ギシュドゥヴァンの陶器の偽物が並べられていたりもします。ちゃんと見極めないと損をする場所でもあるのです。
定期的に立つ市場もあります。
サマルカンドの近郊、ウルグットでは、決まった曜日に市が立ちます。ただ、これは多分に観光客向けのところもないでもありませんが。ウルグット固有のデザインのスザニがティーカップをモチーフにしているので、特定の需要があったのです。それで「売れる」となって、粗悪な品でもいいからと並べるようになりました。
ただ、あそこの市場にあったのは、スザニだけではありません。衣類を売る店もあれば、飲食店もあります。ひまわりの種を売るところもあります。

あとは、少し前まで特徴的だったのは、闇両替でしょうか。
エクスチェーンジ、と言いながらサマルカンドのバザールをうろつく男達の姿が印象的でした。スムの価値はルーブルに強く影響されるので、公称レートと実勢レートの差が非常に大きかったのです。
今は市場価格に合わせる形になったので、この辺も変わってきていると思います。
値切りたければ、こう言おう
物価は、何を買うというより、どこで買うかで大きく変わってくると思ってください。
タシケントの都心でオシャレなランチを食べようものなら、とんでもない金額を取られることだってあります。一方で、市場の片隅でシャシリクやラグマンをささっと流し込むだけなら、さほどの出費にもなりません。しかも、味に大差はないというのが、率直なところです。
この国で交渉する時には、強気でいかないとダメです。まぁ、海外旅行全般そうですが。
タクシー代もすべて交渉です。金額を言われたら、とりあえず
“Juda qimmat!” 「ジュダ クンマット」(チョー高ぇ!)
高い高いとケチをつけましょう。
で、頷かなければ
”Xayr” 「ハイヤル」(サヨナラ)
コレでいきましょう。