ティティカカ湖の観光

ペルー
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インカ発祥の地

 伝説は、ここから始まりました。
 湖から現れた一組の男女が創造神ビラコチャの導きを得て北方へ向かい、やがて大帝国を築くという物語。

初代皇帝マンコ・カパック

 二人が旅を始めた場所は、現在、ティティカカ湖と呼ばれています。標高3800メートル。富士山より高い場所にある湖です。
 インカの伝説のムードに浸りたければ、ここを訪れないという選択肢はないでしょう。

 しかし、残念ながら多くの観光客が、ここを訪問するのを諦めてしまっています。理由はただ一つ、遠いから、です。クスコからバスで10時間くらいかかってしまう距離なので、おいそれとは出かけられません。
 ただ、旅の後半は疲労感も相当なものですし、いっそのこと、旅程の中にティティカカ湖行きを組み込んで、バスの中で仮眠をとるのはいかがでしょうか?
 できるなら、二泊三日くらいの旅程を組むと、この湖を満喫できると思います。

葦船上の村落

 ティティカカ湖の見所は、まずはなんといってもウロス島でしょう。
 天空の湖の上に浮かぶ、葦舟の上の村落。これだけでもう、ファンタジーそのものです。

湖の上の、幻想的な日没

 ……と言いたいところなのですが。

島の上はこんな感じ

 まぁ、はい。
 そこかしこに、発電用の太陽光パネルが突き立っております。
 便利さには替えられませんからね、ええ。

よく見ると、あちこちにパネルが……

 住民に、昔のままの暮らしをしていて欲しいというのは、観光客のエゴでしかありません。
 彼らは、それがお金になるから、こうして観光客を受け入れているのです。

葦船の中のお土産屋

 お土産屋とか、もうちょっとムードを考えて作って欲しくはありましたが。
 普通にお菓子とかペットボトル、お酒も手に入ってしまうというのは、なんだかなぁ、と。でも、便利といえば便利です。

ドラ○エとかで、どんな辺鄙な場所にでもショップがあるのに似た感じ

 それはそれとしましても、この葦舟集落、結構な大きさです。これ、絶え間ない努力で維持されているものなのです。というのも、水面に触れれば、どんな植物だって少しずつは腐食していきますから、やがては湖の水に飲み込まれて沈んでいきます。そうなる前に、また上から新たな葦を編んで被せる。そうして浮き続けているのです。
 この葦、トトラというのですが、食用になるとも聞きました。

周辺の観光情報は

 ティティカカ湖には、インカの遺跡もあります。
 太陽の島、と名付けられているのですが、実のところは、どんな施設だったのか……
 ウロス島より、更に遠くになるので、計画的にツアーを組んだほうがいいでしょう。

 それと、この場所はちょうどボリビアとの国境地帯になります。
 ボリビアといえば、ウユニ塩湖
 天と地の境がなくなる、地上で最も美しい場所のひとつです。

ウユニ塩湖……しかし

 ……が、残念。
 季節が合わないのです。

 ウユニ塩湖を目当てにするなら、雨季を狙わなくてはなりません。つまり、日本の冬季です。地表の高低差が50センチにも満たない場所に水が溜まるという自然現象が、あの神秘的な景色を作り出す以上、雨が降らないと始まらないのです。もっとも、トラブルなく旅程をこなすには、乾季の方がいいという意見もありますが。
 しかし、ペルー観光の最適期は乾季。日本でいえば夏。雨季にはクスコ発のマチュピチュ行きの電車もありませんし、ウルバンバの谷も増水して、マチュピチュその他の遺跡への立ち入りが禁止されたりもします。
 残念ですが、どちらかを諦めて、二度行くしかない、かもしれません……

プーノ市とティティカカ湖

 ティティカカ湖は、プーノ市に面しています。
 湖上で宿泊するのでもなければ、ここでホテルを取ることになるでしょう。街の規模は結構大きくて、飲食店もたくさんありました。マチュピチュみたいに不自然なほど観光化した街でもないので、かえって居心地がいいように感じるのではないでしょうか。

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