ペルーのその他の地域の観光

ペルー
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ナスカの地上絵

 これまで他の記事で紹介してきた観光地は、どれもペルーの南部、クスコ周辺に固まっていました。そこが一番、効率的に、見応えのある史跡を目にできるポイントだからです。
 しかし、ペルーにある素晴らしい場所は、なにもクスコの近くにしかないわけではありません。ここでは、それら以外の観光ポイントを紹介します。

 まず、知名度だけならマチュピチュにも劣らないあの遺跡。
 そう……「ナスカの地上絵」です。

ナスカの地上絵

 素晴らしい、これも目にしたい! そう思うのは無理もありませんが、個人的には、優先順位を低めに見積もっていい場所だと思っています。
 なぜか? まず、地上で地上絵を見ても、何か線らしきものがあるだけで、全然ありがたみがありません。なので、上空から観察できればと思うのですが、そのためには、リマから飛行機に乗って地上絵のある辺りまで南下して、上から見下ろすことになるのですが……

 かなり酔うらしいです。
 はい、私は行くのをやめたので、知りませんが。

 飛行機は、下を見るようにはできていませんから、操縦士は「地上絵を見られるように」と機体を傾けます。何度も何度も。それに合わせて下を見下ろすのを繰り返さなければならないわけです。
 なんかこう、もうちょっと頭使えないもんでしょうかね。地上絵のある近くで、気球に乗って下を見るとかだったら、「ただの線」が徐々に「絵に見える」感動を味わえるのに……。

アマゾンの源流地帯でエコツーリズム

 インカ帝国は、北はエクアドル、南はチリまで、非常に広い範囲を支配した国家でした。よって、アンデス山脈の東側、つまりアマゾンの源流地帯も支配地域にしていました。特にこの地域で取れる鳥の羽が、サパ・インカがかぶる「マスカパイチャ」の飾りに必須ということもあり、歴代のインカ達はこの地域への侵攻を繰り返しました。
 そんなインカの支配を思い浮かべながら、ペルーの北東部、アマゾンの源流地帯であるイキトスを旅するのもいいかもしれません。

 イキトスに入るには、飛行機によるしかありません。他の移動手段は船だけだからです。
 そして、ここは完全な観光地です。かつてはゴム生産の拠点として栄えたらしいのですが、市場をマレーシアに奪われてからは、これといった産業もありません。で、一番稼げそうなのが観光、というわけなのです。

 イキトスを旅するのは、きっと楽しいですが、大変なところもあります。
 涼しい高地から、いきなり熱帯雨林に飛び降りるのですから。一年中、日本の真夏みたいな状況だと思ったほうがいいです。高山病はなくても、体力をまたゴッソリと持っていかれることでしょう。しかも、目的地がアマゾン川ですから、常にムシムシ……
 そして、虫虫しているはずです。虫けらだらけ。つまり、蚊に刺されまくることでしょう。虫除けスプレーその他の装備なしでは、地獄を見ます。マチュピチュ観光のついでに、思いつきでフラッといくものではありません。
 また、アマゾンの原住民……といっても完全に観光客向けに訓練された原住民モドキですが……の集落に行ったりするので、携帯電話の充電その他、できないと思っておいたほうがいいです。

ナマケモノと触れ合える

 その代わり、アンデスのケチュア地帯では目にできない、文字通りの異世界を楽しむことができます。
 生のナマケモノと抱き合えるのは、やっぱり素敵です。ピラニアを釣ったりもできます。話題のピンクドルフィンを目にすることもできます。

北部地域にも見所いっぱい

 ペルーの北側にも、見所が山ほどあります。
 インカ帝国は、いってみれば最後にペルーで栄えた文明でしかなく、それ以前にも数多くの社会が生まれ、滅んでいきました。その中の一つ、モチェ文化の遺跡をご紹介します。

 太陽のワカ月のワカと呼ばれる日干し煉瓦の建造物は、ペルー北部の海沿いの街、トルヒーリョからタクシーで三十分ほどの距離にあります。近くには博物館もあり、モチェ文化の遺物を目にすることができます。
 当然ながら、インカとは異なる宗教体系をもっており、神の名前も姿もまるで違います。

捕虜は創造神アイ・アパエックへの生贄とされたという

 ちなみに「ワカ」というのは、わかりやすく言うと、ご神体のことです。
 奇妙な形をした岩などに、何か神が宿ると考えるのが、南米の信仰です。インカ帝国は、支配地を広げた際に、被支配民族が大切に管理していたワカを没収し、クスコで一括管理したといいます。神様を人質にとったというわけですね。

 モチェが栄えた時期は、紀元前後から七世紀頃とされています。そんな古い時代ですが、今でも残されている壁画は色鮮やかで、また壮大なものです。アメリカでは、これほどの規模のものは、他に見つかっていません。

 こんな感じで、ペルーには見所がありまくりで、キリがありません。
 よくよく調べて、計画的にまわりたいものですね。

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