ウズベキスタンのお土産

ウズベキスタン
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ウズベク土産といわれても……

 旅の楽しみの一つに、お土産があります。
 その土地、その国でしか手に入らないものを購入し、帰国後に誰かにプレゼントする。或いは自分で使ってもいいですが。

 では、ウズベキスタンには何があるでしょうか?

飲食系のお土産

 まず、飲食物のお土産は、あまり期待できません。
 大半はロシアなどから輸入されたお菓子だったりします。地元の素材が何一つ使われていないチョコレートとか……そんなの、職場とかに挨拶するための、形ばかりのお土産にしかならないでしょう。
 別のところでも述べましたが、ワインなどのお酒もダメです。ウズベクワインの品質は、一般的には良質とは程遠いようです。ワインは甘いものという先入観もあるので、中には加糖されたものまであるらしいです。なにかいいワインを見つける手がかりでもない限りは、やめておいたほうがいいでしょう。

 ただ、もっと親しい間柄の人に「お土産らしくないお土産を」というのなら、選択肢がないでもありません。
 地元のスーパーとか、チョルスー市場みたいなところで「ハルヴァ」を探してみましょう。あまり高くはありません。塊で売られていたりします。
 但し、味はどれも「ダダ甘」です。和菓子の控えめな甘さを知る私達には、あまりに苛烈です。私はヒヴァとタシケントでそれぞれ、違う種類のものを買って、旅行中も食べ、帰国後も食べていたのですが、最終的には、もう甘すぎて食べきれず、残ったものを捨てざるを得なくなりました。

 また、ウズベキスタンは果物の名産地でもあります。
 私がチョルスー市場でサクランボを買った時、キロ単位で売ってきました。いや、一人だし、そんなに食えないから、というと、嫌そうな顔をして500g4000スムで売ってくれましたが……
 なので、ドライフルーツが豊富です。そういえば、日本のどこかの商社が、ウズベキスタンからドライフルーツの仕入れを始めた、という話も前に聞きました。
 但し、買い付けには注意してください。中には保存料農薬ドバドバの代物もありますから。

 それでも何が何でも食材がいい、というのなら……そうですね。岩塩なんてどうでしょう?

多分、岩塩じゃなくて、これは固まった砂糖……?

美しき工芸品の世界

 食べ物以外でとなると、パッと思いつくのは四つほど。
 スザニ、アトラス、陶磁器、木工品です。

 スザニというのは、要するに刺繍です。
 みんな自由に好き勝手な柄を作るということはなくて、サマルカンドならサマルカンドの、ブハラならブハラの様式があります。
 ティーカップをデザインしたウルグットのスザニは、喫茶店なんかで使いやすいのもあって、有名になりました。サマルカンド近郊のウルグットでは、今でも定期的に市がたっていて、そこでスザニも売られています。

これはサマルカンドの柄

 色とりどりで美しいですが、注意すべきことがあります。
 昔のスザニは、それこそ本当の民芸品で、それこそ手芸に生きた女達が時間をかけて仕上げた素晴らしいものでした。それらには芸術的価値もあったので、欧米のコレクター達が目をつけて、一気に買い占めてしまったのです。そのせいで今では、作られてから80年以上経つオールド・スザニは、国外への持ち出しが制限されています。
 一方、それでもオールド・スザニを欲しがる観光客に付け込む連中もいます。さして品質もよくないスザニを、古くて立派なものだと言い張って、高値で売りつけようとするのです。
 品質のいいスザニは、とにかく針を通した回数が多いです。縫い目の間隔が広いものは、昔の良質なスザニではあり得ません。騙されないようにしましょう。

確かブハラの柄だったと思う……

 アトラスも、要するに織物です。
 日本でウズベク絡みのビジネスをしようとする人が、まず売ろうとするのがこれですね。アトラスで作ったネクタイとか……まぁ、スザニは大きくて嵩張ることが多いですし、お土産には手頃かもしれません。

 陶磁器は、割れることもあるので、なかなか難しいです。ただ、一応、名産地の場所を二つ、挙げておきましょう。
 北東部のフェルガナ地方のリシタンと、ブハラ近郊のギシュドゥヴァンです。それぞれ、違った特徴があります。フェルガナの陶磁器は、青い釉薬が美しいということで有名ですね。これに対してギシュドゥヴァンのは、茶色とか緑の皿に、金属の細い針で刻みを入れた、デザイン性の高いものとなっています。
 ただ、これも注意です。チョルスー市場でも見かけましたが、粗雑な贋作が売られています。なぜか遠く離れたヒヴァには本物があったのですが……

 最後に、木工品です。
 漫画『乙嫁語り』でも、見事な木工品が作られる様子が描かれていますね。これは、この地域の伝統ともいえるものです。

タシケントのアブドゥルハシム・メドレセでは、制作の様子も見学できる

 金額に糸目をつけないなら、木彫りの皿などを買うのはいかがでしょうか。但し、そこそこ見栄えが良くて、大きさもあるものだと、普通に日本円で数万円はします。現地の物価を考えると、これがどれほど割高か、わかろうものです。

壁に飾るための木彫りの皿、数万円はする

 タシケントに、こういう工芸品を作って売るセンターがあるので、訪ねてみてもいいでしょう。他、細密画(ミニアチュール)の施された小箱などもあって、見ているだけでも楽しいです。

 そういえば、ブハラ限定ですが、あそこは刃物の名産地でもあります。
 あちこちにナイフのお店があるので、興味があったら覗いてみてもいいかもしれません。

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