スマホを生かし続けるために
一昔前まで、旅の思い出は選び抜かれたワンショットに支えられていました。持ち込めるフィルムの残数を気にかけながら、特に美しい景色を写し撮るのにみんな必死だったのです。私も、使い捨てカメラをよく使ったものでした。
ですが、今は時代も進んで、みんなスマートフォンで写真を撮るようになりました。これ一つで電話、メール、ネットで検索、そして写真撮影からソーシャルネットワークへのアップロードまで、なんでもこなせてしまいます。本当に便利になったものです。
言い換えると、スマホが動かなくなると、一気に私達は身動きできなくなります。
よって、スマホをどう生かすか、そこがポイントになってきます。
というわけで、まずはこちら。

ご存知、充電器です。
日本でたっぷり充電しておいて、現地で使います。もちろん、現地でもチャンスがあれば充電を繰り返して使います。
スマホは一日使いまくれば、新品のバッテリーでも、ほぼ電源残量が半減します。そして、リチウムバッテリーにとって快適な充電レベルは50~90%です。基本的に、毎日充電してあげる必要があるのです。
しかし、旅先が辺鄙であればあるほど、旅程がハードであればあるほど、その機会は限られます。夜行列車に乗って長距離移動するかもしれませんし、本当に田舎だとすぐ停電を起こしたりします。
だから、保険としての充電器には、非常に大きな意味があるのです。
ネット接続は気をつけて
スマホは、あればいいというものではありません。
写真撮影にだけ使うならいいですが、ネットを利用するとなると、海外では少なからず問題が生じます。
行き先が韓国とかハワイとか、割とネットが充実した地域であるなら、事前に代理店に出向いて、国際ローミングサービスの利用ができないか、相談してみてください。これらで定額サービスが利用可能なら、短期の旅行に関しては、一番お手軽で安くつきます。
長期の旅行なら、現地で携帯電話のレンタルができないかを検討してください。
逆にネットワークサービスが貧弱な国……ウズベキスタンなんかはその一例ですが、そういうところでうっかりネットに繋ぐと、従量制ですので、帰国時に何万円という請求が飛んでくることも考えられます。こういう国、地域を旅する場合には、安易にスマホのネット利用をしないほうがいいでしょう。
このように、あらゆる接続、通話をしない設定にしておくことです。
それでもメールをしたい、スカイプをしたい、フリーWIFIだってあるはずだ、ということであれば、正直、別端末を用意することをお勧めします。WIFIにしか接続できない、設定のないタブレットとか、そういうものです。
ホテルなどのフリーWIFIには繋ぐけど、後は完全に接続をしない。通話も想定していない格安スマホなんかを、使い捨てるつもりでカメラ兼用で使うというのも手です。中に個人情報もろくに入っていなければ、盗まれても損害は最小限で済みます。
高度な翻訳機能は便利だが
最後に、スマホは翻訳機としても使えます。
いろいろな日本語←→英語翻訳ソフトが存在しますし、英語以外にもさまざまな言語に対応したアプリが存在します。
ですが、注意が必要です。
なぜなら、これらの一部は「ネットに繋がることを前提としている」からです。
しかし、誰かと会話したり、道端の看板の意味を調べたり……そういうシチュエーションで、常にネットに接続できるとは限りません。従量課金の国だってあるでしょうから、屋外でオンライン状態を維持できるとは考えないほうがいいです。
だから、オフラインで使える翻訳ソフトを使うつもりでいるべきです。
これだけでかなりの範囲をカバーできます。
Google 翻訳 は、マイクで拾った音声をその場で翻訳することもできます。しかも、画像で取得した看板などのメッセージも、翻訳することが可能です。今のAI技術のおかげでしょうが、文字の認識と判別が可能だからです。
ただ、少し問題があります。AIがスマホに入っているわけではないので、その辺までやろうとすると、どうしてもサーバーとの通信が必要になります。手入力の翻訳だけならオフラインでカバーできますし、オンライン利用できる環境であれば、より便利になるという感じです。
Microsoft 翻訳も、よく使う言語のデータを前もってダウンロードしておけば、オフラインで利用できるので便利です。同時翻訳の機能もあり、相手もMicrosoft 翻訳をインストールしている場合、自分の喋った内容が相手のスマホ上に翻訳されて表示されます。
こういったツールを状況に応じて使い分ければ、旅行もスムーズになることでしょう。
ただ、個人的にはこうした手段に頼ったことはほとんどありません。旅行経験が長くなってくると、現地にいるうちに、何も言われなくても、或いは言った言葉の意味がわからなくても、相手が何を伝えようとしているかがなんとなくわかるようになります。また、英語でやり取りしているうちに、自然と英語の語順で考え、話すことができるようになってきます。
そういう体験もなかなか貴重ですし、いざ盗難にあったりした場合には、身につけたスキルと経験しか拠り所はありません。道具に頼り過ぎないほうがいいかもしれませんね。