特別な道具でなくても、ちょっとした工夫で旅行の利便性をグッと引き上げてくれるものがあります。
例えばこちら……

きったないボロッボロのリュックです。
しかし、荷物をコンパクトに纏めたい人なら、これがなかなか悪くないのです。
スーツケースを引き摺っていくような旅行をするなら別ですが、そうでない場合、一つのリュックに必要な荷物をすべて詰め込んで歩き回ることになります。こうした場合の機動性の高さは、非常に快適です。
空港で、スーツケースが出てくるのをじっと待たなくてもいいですし、そもそも荷物が出てこないというトラブルそのものを防止することもできます。乗って、降りたら即移動。しかも、移動中も両手がフリーです。
しかし、犠牲にしているものもあります。収納性能です。
旅行は、荷物が増えることがままあります。お土産がその代表ですが、現地で必要な道具を調達することもありますし、ちょっとした軽食を買って持ち歩くこともあります。また、大荷物をホテルに預けつつ、手元の道具だけで観光地を見てまわりたい場合もあります。
だから「セカンドリュック」を、メインのリュックの中に押し込んでおくのです。私がよく使う手です。
貴重品は専用ポーチに
しかし、リュックにせよ、セカンドリュックにせよ、本当に大事なものを入れておくわけにはいきません。
人間、背中に目はついていませんし、リュックは体の一部ではないので、何かあっても気付けません。
よってこういうミニポーチを身につけることをオススメします。旅行の常識ではありますが。

ジーンズの下など、服を脱がさなければ手が届かない場所に挟んでおくのが鉄則です。
絶対になくしてはいけないもの、それはパスポート、そしてクレジットカードです。また、両替前の米ドルもここに入れておきます。財布には、当面使う分の現地通貨だけ入れておけばいいです。
但し、これで防止できるのはスリなどの軽度の犯罪だけです。
強盗は、旅行者がそういう形で所持金を隠しているのを知っているので、まず体をまさぐってきます。なので、そうなった場合の対策も考えておくべきです。
旅慣れた人は、上着の裏側に多少の現金を縫いこんでおいたり、靴の裏に潜ませておいたりと保険をかけています。もちろんお金だけあっても仕方ないので、緊急時の連絡先、クレジットカードの止め方など、必要な情報をメモしておいたものを、ビニールなどで保護しておきます。
また、収納手段とは少し違いますが、財布などを繋いでおくためのチェーンを用意するという手もあります。治安の悪い国などでは、普通に財布を掏り取る犯罪者がいたりします。とにかく犯行を未然に防ぐという意味で、チェーンで固定しておくのには意味があります。
その他、収納関係のアイテム
収納手段として、百円ショップで買っているジップ袋を挙げる人がいます。
あってもなくてもそう代わりませんが、ある程度きれい好きなら、持っておいて損はないでしょう。ですが、もっと簡単に使えるビニール袋、あのスーパーとかで普通に使われているアレのほうが普通は手っ取り早いです。
どうしても旅を続けると、洗濯を要する衣類と、まだきれいなのを、区別する必要が出てきますので、何枚かあると便利です。
その延長で、荷物が多い人などは、用途ごとのポーチみたいなものをスーツケースの中で運用するのも手です。
これはどういうことかというと、管理すべきものが多い場合、どうしても見落としが発生するので、それを未然に防ぐためのものです。あるポーチにはボディソープや歯ブラシなどを纏めて入れておき、またある袋にはスマホの充電器や変圧器といった電化製品を詰め込んでおく……そうして出発前に一つずつチェックするのです。
スマートにやりたい人は、バスルームポーチなんかを持ち込むといいかもしれません。バックパッカーには無用のものですが……。
逆にバックパッカー要注意なのは、荷物の重さです。
一つの手荷物にどれだけ詰め込めるか。十キロくらいを普通に手荷物として機内に持ち込む人もいますが、場合によっては重さ制限に引っかかります。そうすると乗れなかったりとか、いろいろトラブルが起きる原因になります。
その意味でも、ラゲージスケールを用意して、荷物の重さを量っておくのも手です。重すぎる場合は、預けてしまえばいいのです。そういう意味でも、セカンドリュックが生きてきます。
あとは、嵩張るけど持ち運ぶ必要のある収納手段があります。
水筒です。

近頃、ペルーのマチュピチュでの入場制限がまた変わりました。ペットボトルの持ち込みもそれに伴って禁止されました。
そうなると、喉が渇いた場合には、水筒で持ち込んだ飲み物以外は飲めないわけです。ペットボトル飲料でも、水筒に移し変えて持ち運ぶことになります。
目的地に応じて、どんな旅をするのか、どんな収納手段を駆使するのか、選んでおきたいものですね。