旅行中の非常食

所持品
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とりあえずは定番

 ちょっとしたアイテムとして有用なものに、軽食があります。
 カロリーメイトなどですね。

カロリーメイトは嵩張りにくい

 体力の低下は旅行上の危険として現実的なものです。空腹だったり、眠かったりすると、どうしても注意力が散漫になり、判断の遅れを招きます。それが犯罪者にとっての付け目になるので、いざという時には、食べられるものを持っておくのがいいのです。
 また、旅先によっては、そもそも現地の食事が安心できないケースもあります。そういう場所では、最悪の場合、保存食に頼るしかありません。

 笑い事ではないです。昔、インドを旅した時には、それはもうひどい目に遭いました。あちらの熱病にやられると、まず下痢、そしてゲロです。
 下痢をするとトイレの臭気で喉の下から何かがせり上がってきてゲロを吐く。ゲロを吐き終わると、下腹部が動き出して下痢したくなる。下痢をすればゲロ、ゲロすれば下痢。十回くらい、それを繰り返しました。
 昔、コマーシャルに「うまいものを食べると酒が飲みたくなる、酒を飲むとうまいものを食べたくなる、菊正宗」というのがありましたが、私は吐いて排泄して床にぶっ倒れながら、頭の中にそのコマーシャルがリフレインされて止まりませんでした。まさにゲロ正宗
 だから、笑い事ではないのです。

水をどう確保するか

 しかし、問題はです。

 まず「清潔な水を充分に確保する」というのが思った以上に難題です。
 インドなんかだと「ペットボトルの水を買ったけど、実はそれはその辺の水道水を詰めただけのモノだった」なんて日常茶飯事なわけで。速攻でゲリゲロ地獄に転落します。

 ですが、ならば日本から水を持ち込もうと思っても、手荷物には入れられません。テロ対策のために、ペットボトルの水は全回収となります。私も成田空港で「ここで全部飲むか、捨てるかしてください」と言われたことがあります。
 水があれば、いざという時の生命線になるんですけどね。最悪、歯磨きにさえ現地の水を使えない場合があるのですから。

旅先では水に注意

 どうしても現地の水を使わなければいけない場合は、浄化した上で煮沸しましょう。

 まず、浄化ですが、それをするための特殊な水筒を持ち込むしかありません。いろいろなアイテムがありますが、安価なものだと「ブリタ フィル&ゴー アクティブ」なんかがあります。ただ、性能を求めるなら、もっとお金を出して「セイシェル サバイバルプラス携帯浄水ボトル」くらいは用意したほうがいいかもしれません。
 日本で要求される水の安全と海外で要求されるそれとは、基本的にレベルが違います。日本の場合は、塩素が多すぎるとか、そのせいでカルキ臭がするとか、あとは農地が近いために亜硝酸性窒素が多いとか(ブルーベビー症候群の原因になるので子供には危険)、そういう感じです。
 ですが海外だと、まずダイレクトに危険な感染症の原因となる菌がたっぷり生きています。これをある程度フィルタリングしてくれないと、話になりません。重金属汚染とか、そういう物理的な汚染もかなりあります。
 歯磨きレベルでも安全とはいいがたい地域もあるので、お金を惜しまないほうがいいです。

 続いて加熱ですが、こちらは「ガオバブ モーリアンヒートパック」を使うという手があります。要するに水に反応する加熱剤の力を借りるのです。電気で加熱できる環境ではない場合にも、これがあれば安心です。

これも百均でゲットした便利アイテム
コップに早変わり

 ただ、水だけあっても身を守れない場合があります。脱水症状が懸念される旅先に行く場合には、粉末タイプのポカリスエットやアクエリアスのようなものを用意しておくのも手です。水に溶かして飲めば、必要な塩分を摂取することができます。

ただの粉末のくせに生意気にも賞味期限がある

 そういう意味で、携帯食料に水を要するカップラーメンなどは、私はオススメしていません。清潔な水を煮沸できる環境があって、はじめて機能するものだからです。それに、意外と嵩張る上に、衝撃に弱く、破損しやすい点も無視できません。
 海外では、水は貴重なものなのです。

贅沢な悩み

 最低限、生存という観点からすると、これで説明は終わりなのですが……

 人によっては「食事が口に合わない」とかいう贅沢を言い出すこともあるでしょう。
 私に言わせると「なにまた見当違いなことを」といったところですが。

 だってそうでしょう。海外なんですから。日本とは味覚も違います。その違いをあえて味わいにいくのが旅行です。現地の人はそれを食べて生きているのですから、基本的にはそれで足りるはずです。衛生面とかの問題はありますけれども。
 だから、おいしくないというだけの理由で、やっぱり日本食を食べたいなんて、あなた何しに外国に出てきたんですかってお話になるわけです。

 しかし、どうしても耐えられないという人もいます。
 しかも、日本食なしでは生きていけない体質であることの自覚がないというオマケ付きで。

日本ほど食事に恵まれた国も珍しい

 メンタル的に自分の環境適応能力とタフネスに自信がなければ、携帯用の日本食を用意するのも手です。
 アルファ米、携帯用味噌汁、サバ缶詰、雑炊やスープなど、いろいろあります。基本的には、防災グッズの位置付けで探せば、見つかるかと思います。ネット上で探す以外では、あとはホームセンターなどでも、この手の保存食は売られています。

ミリメシ

 それでも不安だ、どうしても確実にちゃんと食べられるものが欲しい……

 最終手段として、ミリメシという手もあります。
 ミリメシ、即ちミリタリー=軍隊、メシ=糧食、です。軍用レーションのことです。

 ここまでくると、もはや旅行用の非常食というより、防災用保存食の領域なのですが、それでもこちらは保存性が高く、コップ一杯の水で過熱もできます。水は過熱目的に使うだけなので、特に安全な水である必要もありません。軍用レーションは、炊事のための火を見られないようにするという目的があるので、そうした加熱手段が用意されているのです。もちろん、冷めたままでも食べられます。
 特別おいしいということはないですが、まずまず食べられる味になっているのが普通です。また、活動して汗をかく兵士のための食料なので、基本的に塩分多めの味付けになっています。

缶詰タイプのものは保存期間が長いが、指では開けられず、缶切りが必要

 ただ、基本的にサクサク売れるものでもないらしく、保存期間が三年あるはずなのに、ネット経由で買ったら残り一年しかないとか、加熱剤が機能しなかったりとか、ちまちま問題は起きているようです。
 今回はあくまで旅行時の非常食のお話なので、ある程度は割り切って運用してください。

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