アメリカ旅行の注意点

アメリカ合衆国
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危険で銃(自由)社会

 アメリカ旅行の注意点は、まず何より「安全」です。
 日本とは比べ物にならないくらい治安が悪い、という認識でいたほうがいいです。なぜかというのは、説明不要だとは思いますが……一般市民が容易に銃器を手に入れることができるから、です。

日本とは比較にならないほど、銃器が当たり前に存在する

 アメリカは、自由な人々の国です。イギリスの植民地下から独立した人々は、それぞれの自由意志によってなんとか協力し合って政府を作ったに過ぎません。今でもいわゆる「保守派」は、古きよきアメリカを取り戻そうと考えています。つまり、小さな政府、個人に対して最小限の干渉しかせず、個々人は自力で生活し、自衛する世界です。
 そういう自由なアメリカという理想像があるために、全米ライフル教会は、銃乱射事件が何度起きても、規制法案を握り潰してしまうのです。

 しかし、こういった事情があるために、アメリカで危険なのは「銃を所持した犯罪者」だけではない、ということを念頭に置く必要があります。

 普通であれば戦うような立場にない、普通の善良な市民、女性でも、銃器を隠し持っている可能性があります。もちろん、自衛のためです。
 そして彼らは危険を感じれば銃を向けてきます。あなたに害意はないのですが、そんなことはわかりません。相手も殺されまいと必死です。下手な動きを見逃したら、自分が組み敷かれて殺されるかもしれないのです。だから警告に従わない危ない奴は、先手を打って射殺してきます。

 毎年のように、この手の問題で、痛ましいニュースが報道されます。仲の良いルームメイトが帰宅したのを、泥棒だと勘違いして発砲したとか。クリスマスパーティーのジョークだと思って警告を無視したら射殺されたとか。
 アメリカで恐れるべきは悪意だけではありません。悪意を恐れる心もまた、恐ろしいのです。

 ゆえに、不急不要の夜間外出はなるべく避けましょう。裏通りを通るのもやめてください。単独行動はしないこと。一方で、現地の人を怯えさせないよう、誤解を招く挙動はしないようにするべきです。自分が安全な人間であると見られるように振舞いましょう。

法律を遵守せよ

 アメリカは、とにかく明文化された法律が大事なところです。
 多民族国家ですから、慣習法では社会がまわらないからです。文化も価値観も異なる多数の集団が、どうやって協調して暮らしていくのか。その課題は常にアメリカにあるのです。
 ゆえに、法律を軽視すると、大変厳しい扱いが待っています。

路上喫煙もNG

 まず、飲酒喫煙ですが、日本とは基準が異なります。
 日本では二十歳から許されているこれらのものは、アメリカでは21歳からです。
 また、州によってはアルコール類の販売が制限される時間帯などもあります。ハワイなどでは公共の場所での飲酒喫煙が禁じられていますが、アメリカの法律は州ごとにかなり違いがあります。その都度、確認しないとひどい目に遭うかもしれません。

横断歩道を渡るようにしよう

 交通ルールにもいろいろありますが、歩行者としては、ここでは一点だけ紹介しておきます。
 横断歩道以外を横切ってはなりません。大変高額な罰金が待っています。

チップを忘れないように

 それから、アメリカにはチップ文化があります。
 正規の料金とは別に、ちょっとした心づけを渡さなければいけないのです。

チップ用に小さな単位のお金を用意しておこう

 どういった場面で、どれくらい必要なのでしょうか?

 まず、レストランでは料金の1~2割、高級なところほど高めに出すべきです。冬場にコートを預けたりした場合には、返してもらう時に1ドル、バーで飲む時には1杯ごとに1ドル程度を払う感じです。
 ホテルでは、部屋を空けるタイミングで、やはり枕の下に1ドルくらいは挟んでおくべきです。また、そこそこのホテルに宿泊する場合、ドアマンやベルボーイにも1~5ドルを手渡しする感じです。重たいスーツケースを運んでくれた場合には、やはりそれくらいは出さねばなりません。
 タクシーでも1~2割が必要ですが、大都市でのごく短距離の移動では、1~5ドルで足りると思います。

 これらはあちらの人達にとって、あって当然の収入なので、無視すると安全やサービスに問題が生じる可能性があります。
 日本人にはこの手の習慣がありませんが、相手のアメリカ人が「親切」なら、チップがないと促してくれるでしょう。

 ただ、どこでもチップが必要なわけではありません。
 ファストフード店やフードコートなど、セルフサービス的色合いの濃い場所では、要求されません。屋台やコンビニみたいなところでも不要です。要は「サービス料」なので、常に後払いですし、それが発生しない場面では、いらないのです。

入国許可はウェブで取得

 アメリカに入国するためには、パスポートの他にビザが必要です。しかし、ビザがなくても、ESTAを取得すれば、問題なく入国できます。
 ESTAとは、電子渡航認証システムのことです。昔はビザもなしで自由に入国できたのですが、どうしても9.11のテロがありましたから、制度が厳しくなったのです。

 手続きはウェブで完結しますが、いくつか注意が必要です。
 ESTAは申請後2年間、何度でも使えて、一度に90日間のアメリカ滞在を許可するものですが、パスポートの期限が切れると、ESTAの有効期限も無効になります。なので、うっかり「前回取ったから」と忘れていて、滞在中にESTAの期限切れを迎えてしまうような状態では、渡航が許可されなくなってしまいます。
 また、アメリカと険悪な中東の国々の訪問経験がある人は、ESTAの申請が通らない場合があります。イスラム系テロリストとの関係があるかもしれないからです。

 手続きには1週間ほどかかるといわれています。渡航の72時間前にはとっておきたいので、速めに手続きするといいでしょう。

事前に通信手段を確保

 最後に、携帯電話事情です。

スマホはいつでも使えるようにしておくべき

 アメリカは広大です。そして自由な移動手段としては、レンタカーがあります。しかし、日本みたいに狭くないので、ガソリンスタンドや人里が密集していたりはしません。それが何を意味するかというと、「途中でガス欠になっても、誰も助けに来ない」ということです。
 トラブルが発生した際の面倒臭さが比較にならないほど大きいのです。よって、なんらか助けを呼ぶ手段がないと、本当にヤバいことになります。

 ということで、あちこちのサイトを見ると、ポケットWIFIをレンタルしようとか書いてあるのですが、必ずしもここまでする必要はありません

 例えば、ソフトバンクではアメリカ放題というサービスがあります。月額980円で申し込みが必要ですが、アメリカで自由に通話、データ通信が可能になります。お近くのソフトバンクショップに出かけていって相談すれば、詳しく教えてくれるはずです。
 他の携帯キャリアについても、事情はそこまで変わらないと思います。

 ただ、事前に準備しておかないと、非常に高額な通信をする破目になるので、そこは気をつけてください。

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